特別高度工作車
消防署にはポンプ車やはしご車など、誰もがイメージする所謂消防車の他に、それぞれの災害や事故に特化した特種な車輛も数多く揃えております。
そんな特種な消防車のひとつに、大きな扇風機を背負った特別高度工作車があります。
この車両は、煙や可燃性ガスなどを大型ファンで外へ押し出すブロアー車と、水の力で鉄やコンクリートを切るウォーターカッター車の機能を1台に集約した車輌です。
JR福知山線脱線事故の際、車両からのガソリン漏洩によって気化ガスが充満し、閉じ込められた負傷者が二酸化炭素で酸欠状態に陥ったり、引火を避けるためバーナーやエンジンカッターなど火花が発生する救助資機材が使用できずに救助が難航したことを教訓に、全国の主要都市への配備が進められている車輌です。
大型ファンは大量送気による単純換気・排煙の他、ファンで空気を送り込んだ気圧差を利用し気体を押し出す陽圧換気や、ファンにホースをつないで霧状の水を噴霧放水することによって、フラッシュオーバーと呼ばれる爆発的に延焼する火災現象の抑制なども行うことができる、画期的な車輌です。
今回、2台の機能を1台に集約することで車体が大型化しましたが、2台4名から1台2名での運用が可能となり、効率化を図ることができました。
私たちヤシカ車体は、このような車両の製作を通して、みなさまの暮らしに安全と安心を提供いたしております。