特殊災害対策車(除染車)
阪神・淡路大震災を教訓に、1996年に発足した東京消防庁の特別高度救助隊、通称ハイパーレスキュー隊には、大規模災害等に対応する特別な技術・能力を有する隊員や様々な特殊装備が配備されており、この特殊災害対策車もその特殊装備の一つです。
この特殊災害対策車は通称 除染車と呼ばれており、核(nuclear)、生物(biological)、化学物質(chemical)による特殊災害(NBC災害)の際に、被災者や要救助者に付着した物質を迅速に除染対応する車輌です。
脱衣兼シャワー室、着衣室、担架用シャワー室が設けられ、発電機や給湯装置、給水・汚水槽などを備え、以前の除染車では複数台で1ユニットを為すモノもありましたが、これならこの1台で除染作業が完結できます。
車輌後部に艤装された展開式担架用シャワー室は、これまでの車両では担架ごと被災者を車両に乗せてから除染作業を行っていたものが、シャワー室自体が展開され地面に接地することができるようになったため、担架用シャワー室へのアクセスが容易になり、除染作業の効率がアップされるとともに、除染作業に従事する隊員と被災者双方が、より安全に除染できるようになりました。
さらに、担架用シャワー室が外で展開する分、脱衣兼シャワー室と着衣室がこれまでより多く確保され、より多くの被災者を除染することが可能になりました。
この車輌が活躍するようなことがないのが一番ですが、万が一の際には多くの人命を救うことができる頼もしい存在です。
私たちヤシカ車体は、このような車両の製作を通して、みなさまの暮らしに安全と安心を提供いたしております。